3-1.Data Dip とは

What is “Data Dip” ?

今日、多くの企業では顧客体験を重要なテーマとして位置付けています。こうした状況において、コンタクトセンターは企業とお客様にとって主要な接点の一つであり、顧客体験を高めるための重要なキーワードの一つが”パーソナライズ”です。つまり、顧客はコンタクトセンターに連絡するとき、自分を”不特定の誰か”として画一的に取り扱うのではなく”特定の個人”として適切に扱われることを望んでいます。

では、お客様のコンタクト(電話やチャット)をパーソナライズするにはどうすればよいでしょうか? 例えば、Amazon Connect にお客様からの電話が着信したとき、Amazon Connect が識別できる情報は電話番号(発信者番号 = ANI, 着信番号 = DNIS)などしかありません。これでは、この呼を特定の個人と紐づけて(パーソナライズして)扱うことはできません。 しかし、Amazon Connect から顧客データベースにアクセスし、ANI に対応する顧客情報を取得すれば、この呼を”パーソナライズされた呼”として扱うことが可能になります。このように、呼に様々な情報を付加することをここでは”Data Dip”と呼んでいます。

Amazon Connect における”Data Dip”の例を以下に図示します。 Data Dip のイメージ

  • Amazon Connect に着信した呼(Amazon Connect ではコンタクトと呼びます)が着信します。このとき、このコンタクトが持っている情報(コンタクト属性)は発信者の電話番号(ANI)などです。
  • コンタクトフローから Lambda 関数を呼び出し、ANIをキーにして顧客データベースを検索してこの ANI に紐づくお客様の情報(顧客名、会員クラス、etc)を取得します。
  • 取得したお客様の情報(顧客名、会員クラス、etc)を、このコンタクトに関する付加情報としてコンタクト属性に追加します。これがData Dipです。
  • Amazon Connect のコンタクトフローは、付加されたコンタクト属性に基づいてこのコンタクトを適切にルーティングします。